ビューティ・クイーン・オブ・リナーンを観る


今年初の観劇は「ビューティ・クイーン・オブ・リナーン」。大竹しのぶ白石加代子が、アイルランドの田舎で共に暮らす母娘役を演じています。40歳の娘は70歳の母に恋路を邪魔されて結婚もできないまま、母の世話をするためにこき使われる毎日。田舎の閉塞的な空間で二人きり…ストレスを溜める二人のけんかはストレートな罵詈雑言の連続。「お母さんのお通夜の夢を見た(早く死んでほしいの意)」などと、ひどい言葉で罵りあうのですが、そこは芸達者な二人、ユーモラスな演技で笑わせてくれます。そこへ、出稼ぎから帰った幼馴染の彼が娘といい雰囲気になるけれども、母が邪魔をしてまた話が壊れてしまう。結果的には、母もいなくなって、娘は一人になってしまうという何とも救いのないラストを迎えます。観終わってみると、暗い話だけど誰でもいつか孤独なときが来るんだなあと思いました。それが、昔なのか、今なのか、未来なのか。それは、また人それぞれでしょうけど。誰かと一緒にいれば孤独じゃないかと言われれば、そうとも言い切れなかったりもするし。「人生は孤独な戦いやで」とは、友人の口癖。そんな彼女は本当にパワフルに日々戦ってはるので、わたしはいつも笑ってしまうんですけど、自分も見習ってがんばって戦うことにしましょうか。