ファントムを観る


大沢たかお主演のミュージカル「ファントム」を観るために梅田芸術劇場へ。3階席まである客席はほぼ満席でした。わたしたちは1階席でしたが、舞台衣装を着た役者さんが通路をうろうろ歩いていてびっくり。開幕を盛り上げるための演出だったんでしょうか。
さて、以下ネタバレ感想。基本的に辛口になりそうです。とにかく、主役の二人であるファントム役の大沢たかおさんとクリスティーン役の徳永えりさんの歌が残念でした。二人とも声はすごくいいのに、音程が不安定。二人でハモるところも、音程がずれているので微妙な感じに。比べて、脇役の皆さんは、それぞれ声楽経験者なのか音程もしっかり取れていてさすがの歌声。主役より脇役が上手い、つまりクリスティーンよりカルロッタの方が歌が上手くては設定が成り立たないのが苦しいところ。演技の方は、大沢さんはさすがの迫力。悲しみを表現するのがとても上手い役者さんという印象。徳永さんは、終始バタバタした動きと早口で一本調子な台詞がご本人の緊張を感じさせました。ファントムが虜になるほどのクリスティーンの可憐さがあまり感じられず…。ファントムの素顔を見せてと頼んでおきながら、実際に見ると恐ろしくて逃げ出して、また自分勝手に戻ってきてわーわー喚くクリスティーンに感情移入できないのも悔やまれます。でも、これは脚本がちょっと?と思いました。クリスティーンとの愛情がメインかと思いきや最後には家族との愛情がメインになってきて、いつの間に?と驚くとともに詰め込みすぎてストーリーの流れがブツ切れになった印象を受けました。まぶしいほどの光とか、大沢さんのロープ宙吊りとか、斬新な演出は良かったけれど、肝心のストーリーが…。終わってみると、3回のスタンディングオベーション。それぞれすてきなところはあったけれど、複雑な思いがする観劇となりました。
終わって食事へ。懐石でしたが、最後のお寿司まで盛りだくさん。なすびやしょうがのお寿司もさっぱりしておいしかったです。食べ物をおいしく食べられるのって幸せですね。