無題

夜中に親戚の不幸があったらしい。らしい…というのは、親が気を使ってわたしを起こさなかったので、普通に朝起きるまで知らなかったから。亡くなったのは母方の兄弟。若くして病気になり、それからずっと病院生活という気の毒な叔父だった。病気になる以前のことはあまり記憶にないが、母にとっては気がかりな兄弟だったろうから、彼女の心痛を思うと悲しい。通夜は6時と聞いたが、突然のトラブルがあって行けなくなった。客人と話し合い、予想通り今年度で一番辛い日になった。わたしに完全に落ち度があるため、反論できない。思いはわたしの中に確かにあるのに、なぜそうなったか構造的な問題もあるのに、やっぱり言えない。情けなさと悔しさと、何よりも申し訳なさと。わたしはこの職業に向いてないのだろうか?とまた思う。わたしだって、思いの深さは周りの人に負けないつもり。やる気のない樹齢三千年のあの人よりはよっぽどマシだ。けれど、うっかりボケが配慮を欠いて人を傷つける。気の利かない話し方がまたいけない。もっと自分の思いを上手く表現できたら。器用な人は自分が器用なのを知っていて、それを上手に利用する。たとえ思いなんかなくても。そんな人たちに負けたくない。不器用でも誠実な思いがある方が絶対にいいはずなんだ、と自分に言い聞かせる。誰に分かってもらえなくても、そうじゃないと自分が生きている意味がない。わたしが今確かに生きていて、この職業に就いている意味。それを自分で見つけたい。