陰陽師 瀧夜叉姫を読む

きっと読むのに1週間くらいかかるだろうと思い、上巻しか買わなかった瀧夜叉姫ですが、読み始めるとやっぱり続きが気になって、下巻まで一気に読んでしまいました。長編を2日間で読んだなんて、いつぶりかしらという感じです。一文が短い文体なので、上下巻のわりに量は少ないかもしれませんが、それでものべ5時間ほど没頭しました。うーん、さすが20年続くシリーズだけあって、安心して物語に浸れます。今回も人間の生々しい欲望や感情が淡々とした文章で俯瞰的に描かれていて、グロさを通り越して圧倒されるものがありました。同じ生々しさでも、粘着質のそれとは違うので、読んでいて不快感はありません。それが作品として消化されているからすばらしい。女流作家でたまにあるネチネチ系は苦手です。その暗さと陰惨さとしつこさに辟易とします。漫画はしょうもなくても読めるけど、小説は読めないなあ。作家の思想がより出るからでしょうか。

陰陽師 瀧夜叉姫 下 (文春文庫)

陰陽師 瀧夜叉姫 下 (文春文庫)